「院長の独り言」年度別

「院長の独り言」を時系列でご紹介しています。鍼灸・東洋医学に対してもっと身近に感じていただこうと、一般の方にわかりやすく鍼灸・東洋医学にまつわるトピックを中心にお届けします。民間薬草や健康食材にまつわる話、鍼灸・東洋医学・健康に関する一般書などもあわせてご紹介いたします。

「院長の独り言」特別編

生理痛(月経痛)について(2006年1月)

はじめに

今回は婦人科疾患のなかの生理痛(月経痛)について述べたいと思います。生理痛(月経痛)は東洋医学では痛経(つうけい)といいます。

生理痛(月経痛)は生理期(月経期)あるいはその前後に下腹部及び腰部につよい痛みが生じることですが、まれに腰、大腿、胸脇、背に及ぶことがあります。

生理痛(月経痛)にたいする東洋医学の考え方

東洋医学には「痛ぜざればすなわち痛む」という考え方があるのですが、これは気血の循行障害が痛みを引き起こすというものです。

生理痛(月経痛)を引き起こす気血の循行障害の主な原因として以下の四つがあります。

  1. 気滞血オ
  2. 寒湿凝滞
  3. 気血両虚
  4. 肝腎陰虚

気滞血オ

性格的に抑鬱しやすかったり、ストレスが過度に及んだりなどして肝の臓の機能低下によって起こります。

生理前(月経前)あるいは生理期(月経期)に下腹部に脹痛(ちょうつう、張った痛み)があります。血塊が下りれば痛みが軽減することが多いです。

寒湿凝滞

生理期(月経期)に水雨に濡れたり湿地に長時間滞在したことなどから寒湿の邪を受けて起こります。

生理前(月経前)あるいは生理期(月経期)に下腹部に冷痛があります。温めると痛みが軽減することが多いです。

気血両虚

元来の気血不足の体質や大病・長期にわたる疾病などによる気血不足に加え月経後に気血が虚すために起こります。

生理期(月経期)あるいは月経後に下腹部に連綿とした痛みがあります。経血は淡く希薄のことが多いです。

肝腎陰虚

体質虚弱であったり房事過度、早婚多産などから腎の臓が弱まって起こります。

生理後(月経後)に下腹部が痛みます。腰のだるさや足の脱力感、頭がボーッとする、耳鳴りなどの症状をともなうことが多いです。

生理痛のまとめ

女性は男性と違い月経というものがあります。これは出産という女性にしか出来ない生命の神秘をする為に自然が女性に与えた大きな恵みでありますが、これがあるために女性は毎月身体の中で大きな変動を迎えねばなりません。月経に関する病気や不快な症状でお困りの方は多いものです。

東洋医学ではあくまで身体のバランスを診るのですが、身体のバランスが乱れている為に月経という大きな生命のリズムに乗れずに症状が出ると考えます。

普段から身体のバランスを乱さないような生活をすることが大事ですね。

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