「院長の独り言」特別編
牛乳について
北海道の数ある名産の1つに牛乳があります。
ただ残念なことに、今年3月にニュースでも報道されましたが大量の牛乳が廃棄処分されました。大変もったいないことですね。
乳牛は搾乳しないと乳房炎になるので売れる売れないに関わらずある程度搾乳しないといけません。
そのような中で牛乳の消費量は年々減少傾向にあるため生産過剰になったということです。
牛乳の消費量の減少は牛乳が栄養豊富で太るという印象からのようで、イソフラボンやカテキンなどの含まれる健康に良いイメージがある他の飲料の消費量が増大しているそうです。
このような牛乳ですが東洋医学ではどのように捉えているのでしょうか。
中国、明の時代の『本草綱目』という本を読むと、牛乳の効能がいろいろ書かれています。
主なものを挙げると、
○体が弱りやせ細ったのを補う働きがある。
老人や病後で虚弱などの場合に煮食(温めて食す、そのままだと冷やす作用があるため)する。
○体の熱毒や咽の渇きを除く働きがある。
風熱の病やある種の黄疸などに使う。
○皮膚や大腸を潤す働きがある。
牛乳には皮膚をしっとりと潤す働きがあります。このことから牛乳風呂が肌に有効なのがわかりますね。もちろん牛乳を飲むことによっても肌を潤します。
また大腸を潤す働きがあるので、胃腸に熱がこもってなるタイプの便秘などにも有効です。(ひと口に便秘といっても色んなタイプの便秘がありますのでご注意を。)
このときは牛乳だけよりも蜂蜜も混ぜて飲まれるとよりよいです。(蜂蜜には大腸を潤す働きがあります。)
『本草綱目』には牛乳を服用するときの注意点も書かれています。
お腹に塊のある人、冷気に患っている人は避けたほうがよく、生魚とは一緒に食べないほうがよいなど。
これは、「団塊の世代の前までの日本人は牛乳を飲むと下痢をする人が多かった」という事象を、西洋医学の考え方と比較して説明するとわかりやすいでしょう。
「日本人は牛乳を飲むと下痢をする人が多かった」ことは、西洋医学的には「乳糖分解酵素(ラクトース)が少ないため」とされています。
しかし、東洋医学的には、「牛乳を飲むことで体が冷やされ下痢が生じた」と考えられます。
日本人は、食事が欧米化される前は、生もの、冷たいものや魚などを多く食していました。魚も刺身といった形で生で食しますね。
このようなことから日本人は胃腸が冷えている人が多く、そのため牛乳を飲むと胃腸がもっと冷やされ、下痢になる人が多かったと考えられるのです。
現代では食生活も変わり、肉食や油っこいものも食べるようになり、なかには逆に胃腸に熱がこもっている人もいるぐらいですから、牛乳を飲んでも下痢をする人が少なくなってきたと考えられます。
そう考えてみると確かに昔はお腹が冷えるとすぐ下痢になり、腹巻が欠かせない人も多かったのが、今では大分少なくなった様に感じられるのですが、皆さんはどう思いますか?
食生活の変化って大きいですよね。
普段の生活で目にするいろいろな現象を東洋医学で改めて考えてみると、私たちの生活を見直すひとつの良いきっかけになりますね。
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